最高裁判所大法廷 昭和26年(し)96号 決定 1954年4月26日
主文
本件特別抗告を棄却する。
理由
本件特別抗告の理由は末尾添附の書面記載のとおりである。
職権を以て調査するに、被告人は東京地方裁判所刑事第九部の昭和二六年一〇月一五日附保釈保証金変更決定により変更された同裁判所裁判官井口浩二のなした同年一〇月八日附保釈許可決定により保証金三万円を納付して釈放されたが、その後指定条件に違反したため、同庁において昭和二七年五月二九日その保釈を取消す決定がなされたから被告人に対する保釈保証金額を変更する原決定を取り消しても実益がないようになったのであるから、結局本件特別抗告はその理由がないこととなる。
よって刑訴四三四条、四二六条一項により、主文のとおり決定する。
右は全裁判官一致の意見である。
(裁判長裁判官 田中耕太郎 裁判官 霜山精一 裁判官 井上 登 裁判官 栗山 茂 裁判官 真野 毅 裁判官 島 保 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 岩松三郎 裁判官 河村又介 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎 裁判官 入江俊郎)